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2016年08月10日 (水) | 編集 |
厚労省は1昨年、『日本人の長寿を支える「健康な食事」のあり方に関する検討会 報告書』で、多面で多様な人間の営みや環境・歴史等のかかわりの反映とも言える「食事」について、その多面で多様な特徴を活かして長寿を支える方策を考えることの重要性を提言しました。
その一つに、食物の評価について、従来一般的である栄養素レベルと食材料レベルの評価だけでなく、料理レベルや食事レベルでの評価方法の確立の必要性が出されました。
我田引水ではありますが、1970年代から『食事を「食事」としてとらえたい』と切望し、料理選択型栄養教育の枠組みとしての核料理(主食・主菜・副菜)とその組み合わせの必要性や有効性を実証的に明らかにし、その成果を活かした「主食・主菜・副菜料理を組み合わせた食事法」、中でも食べる人にとっての適量の概念を取り込んだ「3・1・2弁当箱法」による食事法、等を開発実践してきた「食生態学研究と実践」関係者にとっては、たいへんうれしく、ありがたい提言でした。

国民健康・栄養調査は国民の栄養素等摂取状況と食品群別食品摂取状況を把握することを主目的に調査内容・調査票設計がされてきましたから、料理の種類やその材料構成、さらに食事の料理構成を明らかにすることはできません。
今後、食事、料理、食材料、栄養素の各レベル別に、またそれらの重層構造等を把握するためにはどのような調査内容・調査票設計が必要かを検討しなければなりません。

そうした検討の基礎資料を得るために、「日本人の食事を構成する核となる料理に使用された食材料の種類、出現数及び摂取量分布に関する検討」(文末に添付)が行われました。
核料理、主食、主菜、副菜、等の定義や区分原理、およびこれらの具体的な類型化の基準について、主として前者は「料理選択型栄養教育の枠組みとしての核料理とその構成に関する研究」(足立己幸、1984)を、主として後者は「食生活指針」(2000年)策定の裏づけ資料として分析を担当した時に作成した「料理類型化のための主食・主菜・副菜料理のマトリックスの開発(針谷順子、足立己幸、2006)の方法を一部加筆修正して使用しています。
分担研究者の大久保公美博士と前記2論文をふまえた作業仮説を設定し、平成25年度の国民健康・栄養調査記録データーの再分析、作業仮説の再設定、データーの再分析の繰り返しを重ねて、料理マトリックスの項目等の一部修正を行い、調査原票に戻って分析した結果です。

食環境の激変化、ライフスタイルの多様な変化、とりわけ食事スタイルや食事内容の変化で、料理の種類、サービングサイズ、それらの組み合わせ等が変化していることが予想されましたので、本報では核料理の定義や類型化の枠組み設定の検討のための基本データーを取ることを優先した次第です。興味あるデーターが浮き彫りになりました。

厚生科学研究費補助金による研究報告書は入手しにくいので、ここに添付します。
引用等自由にしていただきたく、そして質問や意見をお聞かせください。
すでに次の検討が始まっていますので。

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※出典名は以下
大久保公美,足立己幸.日本人の食事を構成する核となる料理に使用された食材料の
種類,出現数および摂取量分布に関する検討.厚生労働科学研究費補助金循環器疾
患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業「健康増進・栄養政策の推進における国民
健康・栄養調査の活用手法の開発」(研究代表者:古野純典.H27 ─ 循環器等 ─
一般 ─0 03)平成27年度総括・分担研究報告書.2016. p.51-68.