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2015年02月12日 (木) | 編集 |
昨年12月中旬、ソウル市から車で2時間ほどに位置する大田廣域市で、韓国農林畜産食品部主催、韓国全地域から集まった食育推進専門家の研修会で標記の講演をしました。100名ほどの参会者が立ち見が出るほどの熱気に圧倒され、正直の気持ち、日本ももっと積極的な食育推進をしなければならないと、感じたひとときでした。今回韓国担当者から当日の講演内容を公表したいとの要請を受け、講演者自身による公表を先にすべきだと、慌てて書いています。

講演依頼は、9月に韓国農林水産省や大学教授等による「韓国第2次食生活教育基本計画」を立てるための日本訪問団7名から、「足立の考えている食の哲学を聴きたい」と要請され、4時間ほど(約束は90分でした)講話をし、終了直後に「仲間たちに今日の内容を直接話をしてほしい」と懇願され、承諾してしまったのでした。今、一番必要なことは、食がなぜ大事かを関係者が共有することだ、とのことでした。

日本国内で講演をさせていただく場合に、“食の哲学”を前面に出して要請されることはあまり多くありませんので、とてもうれしく、やや緊張して準備をしました。

当日は私が準備したパワーポイントと、そのハングル語訳のパワーポイントを2枚の大型スクリーンに映写して、足立は日本語で、徳成女子大学教授金慶珠博士(女子栄養大学大学院で博士号を取得し、前韓国栄養士会会長)が即時通訳をする形で、すすめられました。
以下、レジュメと使用したパワーポイントの中で主要なものを、日韓対で、取り上げます。

尚、引用にあたっては必ず以下のように、足立己幸のHPからの引用であること、及びアクセスした日を明記してください。
出典:足立己幸のつぶやきHP「食からの多事争論」より http://adachimiyuki.blog79.fc2.com/(2015年2月12日にアクセス)

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韓国食生活教育専門家ワークショップ・特別講演
持続可能な食卓のための食生活教育の役割
「食生態学」の実践と研究の循環からの提案

主催:韓国農林畜産食品部
主観:食生活教育国民ネットワーク
日時:2014.12.18 (木) 15時から
場所:韓国大田廣城市 Lotte City Hotel
講師:足立 己幸(ADACHI Miyuki PhD, RD)
女子栄養大学名誉教授・名古屋学芸大学名誉教授
NPO法人食生態学実践フォーラム理事長  
(食生態学・食教育学・国際栄養学)

はじめに:
今回の皆様からの招聘をいただき、親密で価値ある“食生活実践と研究の日韓交流”ができることを心から感謝申し上げます。

私は1985年にイギリスで開催された国際栄養学会場でソウル大学牟寿美名誉教授ご夫妻にお会いしたことから出発して、今まで、栄養学研究と実践、とりわけ両国の食生活比較研究、その成果の教育や社会活動への適用による制度づくり・人材養成について情報交換・共同研究・共同人材養成をさせていただいてきました。
9月には韓国の食生活教育推進計画策定の担当者の方々が来日され、地域栄養や食生活教育に関する貴重な情報交流をさせていただき、感謝しております。
牟寿美先生と2人、その関係者の小グループで出発したささやかな共同研究や人材養成も今は両国の全国組織で進められるようになり、大変うれしく、感謝申し上げます。

本日は、金慶珠博士や関係者からの強い要請をいただき、日本で食生活教育(日本では「食育」と名付けています)実践の理論的な根拠の一つといわれている「食生態学」について、
実践と理論との双方向の高まりと今後の展望について紹介し、今日のワークショップへの発題をさせていただきます。

1.「食生態学」はひとり一人の生活や地域・環境とのかかわりを重視する栄養・食関係者の気持ちから生まれました。
○“わかっているけど実行できない”状態から脱出したい
○楽しい食生活の学びを広げたい
○そのために、人間にとって食とは何か、なぜ食べるのか? 人間らしい食とはなにか?どうすれば実行できるか? 等について知りたい。
○くらしや環境の持続可能な向上につながる内容や方法でありたい、等々

2.日本の食育がめざしていること
○食育基本法→食育推進基本計画→食育ガイド→食育白書→次の課題へ……
○世代を超えて、地域やグループのそれぞれの特徴を発揮する食育

3.「食生態学」の基礎的理論と共有できる概念図:実践と研究の循環の中で
○「食べる行動」とその形成を“循環”でとらえる
 ○「食事を準備する・つくる行動」とその形成を“循環”でとらえる
 ○ 地域の「食」を人間・食物・環境の関係の“循環”でとらえる

4.食は“循環”している、つながっているから
 ○できることから始めよう!
 ○それぞれの得意や特徴を発揮しあう連携を、ネットワークづくりを

5.これらの実現のために、重要なことの一つは“みんなで共有できる”わかりやすい、楽しく実行しやすいプログラム・教材の研究と実践の循環!!

6.今、前進中の活動の事例
 ○食を支える専門家を支える「NPO法人食生態学実践フォーラム」
 ○食べる人にとって適量で、バランスの良い、おいしい食事づくり:
「からだ・心・くらし・地域や環境にぴったりの「3・1・2弁当箱法」共食会
 ○食の循環を魚を例にダイナミックに学ぶ「さかな丸ごと食育」の研究・プログラムや教材開発・各地での実践・人材養成……、他

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한국 식생활 교육 전문가 워크숍 ・ 특별 강연
지속 가능한 식탁을 위한 식생활 교육의 역할
- 「식생태학」의 실천과 연구의 순환에서의 제안

講師:足立 己幸(ADACHI Miyuki PhD, RD)
女子栄養大学名誉教授・名古屋学芸大学名誉教授
NPO법인식생태학실천포럼이사장  
(식생태학・식교육학・국제영양학)

1. 「식생태학」은 각 개인의 생활과 지역・환경과의 관련을 중시하는 영양・식관계자의 관심에서 태어났습니다.
○ “알고 있지만 실행 불가능”상태로부터 탈출하고 싶다
○ 즐거운 식생활에 대해 배우고 싶다
○ 그것을 위해, 인간의 식이란 무엇인가, 왜 먹는지? 인간다운 식이란 무엇인가?
어떻게 하면 실행할 수 있을까? 등에 대해 알고 싶다.
○ 일상 생활과 환경의 지속 가능한 향상과 연결되는 내용이나 방법이었으면, 등등

2. 일본의 식육이 목표로 하고 있는 것
○ 식육기본법→식육추진기본계획→식육가이드→식육백서→다음 과제로……
○ 세대를 넘어 지역이나 그룹의 각각의 특징을 발휘하는 식육

3. 「식생태학」의 기초적 이론과 공유 가능한 개념도 : 실천과 연구의 순환 중에서
○ 「먹는 행동」과 그 형성을 “순환”으로 받아들인다.
○ 「식사를 준비하고・만드는 행동」과 그 형성을 “순환”으로 받아들인다
○ 지역에서의 「식」을 인간・음식・환경과의 관계인 “순환”으로 받아들인다
4. 식은 "순환"하고 있으며 연결되어 있기 때문에
○ 할 수 있는 것부터 시작하자!
○ 각각의 특기와 특징을 발휘하고 서로 연계하며 네트워크를 만들자

5. 이러한 것들의 실현을 위해 중요한 것 중 하나는 "모두가 공유 할 수 있고, 친숙하고 즐겁게 실행 가능한 프로그램 • 교재 연구와 실천이 되어야! !

6. 지금 진행하고 있는 활동 사례
○ 식생활을 지원하는 전문가를 응원하는 "NPO 법인 음식 생태학 실천 포럼 '
○ 먹는 사람들이 적당량으로 균형 잡힌 맛있는 식사 만들기 :
"몸 • 마음 • 생활 • 지역과 환경에 적합한 '3 • 1 • 2 도시락 법"共食会
○ 식의 순환을 물고기를 예로 다이나믹하게 배우는 「생선 통째로 식육」의 연구 ・
프로그램과 교재 개발 • 각지에서의 실천 • 인재 양성 …… 등

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<日本語> ※クリックで拡大します。
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<ハングル語> ※クリックで拡大します。
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2015年02月10日 (火) | 編集 |
Discover the expanding “Japanese food” to world wide
Japanese Food is Healthy and Beautiful!
Let’s enjoy to prepare and eat Japanese meal based on “The 3・1・2 Meal Box magic”
as a nutrition Educational Tool
on Japan’s Culture

JICAは開発途上国で活動する多様な専門領域の専門家に、課題に対応した専門家研修プログラムを実施し、実績を重ねてきました。
その30周年記念事業“30th Anniversary of the Training Program for Yung Leaders の会期中に、記念事業の一部を日本の農水省が連携し、日本食に関する正しい理解や普及展開のプログラムが計画されました。
2月6日から8日の会期中、初日にあたる2月6日の12時から15時のいわばゴールデンタイムがタイトルに示した”Discover the expanding “Japanese food” to world wide“ の時間となり、その全体を担当させていただく機会を得ました。

今まで私は、開発途上国の国際協力として、日本人にたいする青年海外協力隊栄養士隊員の選考や派遣前研修・研修中の相談・帰国後の相談等、並びにJICA医療協力や農業協力分野について事前調査から評価までを担う国内プログラム委員、その現地でのプログラム開発支援等の専門家として、微力ですが支援活動を行てきました。
その関係もあって、JICAによる現地専門家研修の講師として栄養プログラムやジェンダーを重視する生活改善プログラムの一部を担当してきました。
これらはいずれも栄養・食・健康・生活関連を専門とする人びとへの研修ですので、いわば、同じ専門分野の仲間同士の研修です。

しかし今回は、行政や土木事業等も含む多種多様な専門家が一堂に会する30周年記念事業ですから、栄養・食に関心のない人や優先順位が低い人を含む集団ということになります。
栄養・食は生きることの基本であり、すべての人に重要な課題ですので参加者に生活者としての研修をすることの意味はあります。
しかし招聘研修記念事業の目的としては一生活者としてだけでなく、各人の専門分野と、それを軸とするその国の人びとの人間らしい生活の向上や環境の向上につながる内容でなければ、目的を果たさないことになります。
しかも前記の研修は2-30名の規模ですので、ていねいに個人対応がだきましたが、今回はJICA地球広場の会議室に満席になる大人数へのレクチャーの要請でした。

国際協力に微力ながら力を注いできた自分としては得難い、うれしい要請ですが、自分の実力を超えた内容と質が問われる要請でもあり、昨年暮れからかなり緊張して準備を進めてきました。

担当する企画会社のTマネージャーや関係者との数えきれないほどの回数の話し合いやメール交信を経て、私の専門分野である食生態学の特徴をフル活用する気持ちで、次のような内容で進めた次第です。

要請されたレクチャー(1時間ほど)とその内容をふまえた日本食の魅力たっぷりの昼食づくりの実習(調理実習でなく、“食事”づくり実習)とその食事を参加者みんなが共食するという3部から構成される、新企画のプログラムです。

幸い、私が理事長を務めるNPO法人食生態学実践フォーラムは、あたたかい人間愛とそれぞれの専門分野での豊か経験の両方を持ち合わせる人材によるチーム実践力を特徴としていますので、後半の実習に協力してくれることになりました。

お陰様で、各国を代表する元若手研修者(今は大臣、国会議員、行政や重要施策の方向決定者や多様な組織のリーダー等で活躍中)が、私の未熟な英語スピーチを熱心に聞き入り、楽しかった、早速に自国の食生活ガイドに今日の講演のアイデアを取り込みたい、新商品開発に取り込み企業化したい等積極的な反応が聞かれました。
スピーチの中で食べる人にとっての適量確認の説明事例に自分の事例をあげ、“年齢が78歳なので……”と話し始めたら、会場から拍手がわき、終了後には”あなたが若々しいのは日本食の効果だろう。
今日の講演で紹介された「3・1・2弁当箱法」の食事を楽しんでいるからか?“と質問攻めになる一コマもありました。

未熟な英語力ですが、スピーチのねらい、すなわち日本食の魅力の一つは“日常の”知恵ある食事法にあること、その実現可能で年代を超えて共有できる方法として、日本の伝統的な食事の知恵「主食・主菜・副菜の組み合わせ」と栄養学の研究成果を結合して開発した「3・1・2弁当箱法」による食事法があること、このコンセプトや方法を自国の生活や活動に活かしてほしい。
特に“同じにコメを主食とするASEANの仲間として、それぞれの地域性や食文化を活かして、人間らしい生活の質と、環境の質のより良い共生を実現してゆきましょう”という呼びかけは伝わったようで、感慨無量でした。

講演内容や実習のすすめ方等を含むプログラムの計画やこれからン展開については、近いうちに関連誌に公表する予定ですので、そちらを参考にしてください。
又当日の参加者の楽しそうな様子等はNPO法人食生態学実践フォーラムのホームページをご覧ください。

ここでは講演の中心になったパワーポイントの一部をそのまま紹介します。

※クリックで拡大します
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